JO台湾特別号
日本語訳

インタビュー:横浜市経済局中小企業振興部 経営・創業支援課 大友杏子さん
「現状打破!」もっと優しく、公平な社会を目指す、横浜女性活躍推進フォーラム
インタビュー:大江電機株式会社 企画室 沈思妤さん
必要不可欠な存在!協進印刷の女性たち
忘れられない思い出になれ!協進印刷台湾インターンシップ生の感想 台湾研修生 楊 仁甫
 
台湾貿易センター国際企業人材育成センター(ITI)からの研修生 楊 仁甫 君が研修課題として企画・取材・執筆したものを、活動報告誌「JO」の特別号として発行しました。日本での就職を希望しながらも、日本の労働環境に不安を感じている台湾人女性に向けて、日本の女性活躍推進の現状を伝えるための情報誌です。
中国語で編集した本編の記事を楊君自身が日本語に翻訳したものを、原文のまま掲載します。日本語勉強中のため、文法の間違いや適切でない表現などありますが、何卒ご容赦ください。
 
中国語版はこちら


女性が活躍できる社会は、男性と女性どちらも働きやすく、
どちらにも望ましい社会。

横浜市経済局中小企業振興部 経営・創業支援課 大友杏子さん

横浜市中小企業女性活躍推進事業を担当し、様々な女性支援制度を立ち上げ、横浜市内の女性職場環境に貢献する

楊:大友さんは女性活躍推進事業の担当者として、横浜市内の女性職場環境の改善に貢献されてきました。私は台湾人として、大友さんから日本の女性活躍推進の現状や、行政と民間企業の努力について海外の人材に紹介したいと考えています。まず伺いたいのは、横浜中小企業女性活躍推進事業を始めたきっかけは何でしょうか。

大友:横浜市に限らず、日本全体としては、特に中小企業様の中での人材不足が深刻化しています。一方で特に女性で子育てのためにキャリアをストップされた方が多く、その中には潜在能力の高い方がいらっしゃいます。中小企業が抱えている人材不足を補う上で、能力が高い女性が再び働くことができるような環境を整えることが課題になると考え、平成26年度にこの事業を開始しました。
楊:『女性活躍推進法』が2015年に施行されましたが、施行されて以来、日本の状況は本当に以前より良くなったと言えますか。
大友:全国的な現状は全て把握しておりませんが、横浜市でいいますと、女性の労働力率は全国平均より低いです。現在、仕事をしていない理由については、“経済的に働く必要がないから”、“家事・育児・介護等に専念したいから”、など様々です。女性活躍推進法の施行が、直接横浜市の労働力率の増加に貢献しているか、明言は出来ないものの、女性の働く意欲は高まってきていると言えます。また企業の方から見てみますと、『女性活躍推進法』で、従業員数300人以上の企業に、自社の女性活躍に関する課題を解決するための『一般事業主行動計画』を立てることが義務付けられていますが、300人未満の企業については、なかなかスムーズに浸透するのが難しいと感じています。しかしながら中小企業の声を聴きますと、女性を雇用することは、人材不足を解決するだけではなく、女性ならではの視点に基づいたサービスや製品を提供する上でも非常にメリットがあると多くの方がおっしゃっています。企業が法律の施行をきっかけに、改めて女性活躍支援を検討し、形のことだけではなく、中身も女性活躍の推進につながっているのではないかと思います。
楊:昨日、私も女性活躍推進フォーラムに参加いたしました。女性活躍チャレンジ実践講座、業界別出張セミナー、専門家派遣、助成金などの多くの施策が紹介されていましたが、それ以外に何か特別な対策がありますか。
大友:「Career小町」という情報サイトがあります。セミナーですと参加人数が限られてしまいますので、横浜で就業したい女性の方に「こんな素晴らしい企業もあるんだよ!」ということをアピールするために、このサイトを立ち上げました。
楊:大友さんにとって、女性が男性より優れているところはどのようなところですか。また、社内にどんないい影響を与えますか。
大友:市内中小企業で働く女性の中には、実際に育児中で時短勤務者が多くいらっしゃいますが、本来18時までのところを16時までに切り上げなければならないから、仕事の効率を上げるために、時間管理の能力が高い方が多いと聞いています。女性に限らないかもしれませんが、時間の制約がある方は生産性を意識して働かれていますので、企業としてもありがたいと思います。経営者にとっては生産性の高さは収益に繋がりますし、そういう方と一緒に働くと恐らく、時短勤務をされていない方も時間を意識して仕事をするようになるのではないかと思います。

楊:大友さんが担当されている事業の推進はいつも順調ではないはずですね。今までにご苦労されたことはどんなことですか。
大友:経営者の方へは、女性活躍は経営戦略であり、企業にとって大きなメリットがあることが浸透してきておりますが、40代、50代の男性管理職の方や、中には若い男性でも「女性活躍」という言葉は女性の特別扱いなのではないか、なぜ女性だけ支援するのかと考える方もいると思います。男性だって育児もありますし、親御さんの介護だったり、それぞれの課題を抱えているので、「女性活躍」というキーワードがなかなか浸透しづらいということはありました。そのためにも、「女性活躍」の推進が、男性も、女性も柔軟な働き方がしやすい環境の構築につながることをご理解いただく必要があります。
楊:確かにそうですね。昨日のフォーラムでも同じ問題点が共有されていましたね。このからの女性活躍推進事業の目標を教えてください。
大友:世の中には女性と男性という性別に関わらず、いろいろなバックグラウンドをお持ちの方がいらっしゃります。そのような多様な人材が活躍できる環境の構築こそが、今の企業にとって最も重要な経営戦略と考えます。これは私の個人的な理想ではありますが、「女性活躍」というキーワードが必要ない社会になればいいなと思います。事業名には「女性活躍」という言葉が使われておりますが、親御さんの介護が必要な方とか、ご自身が病気を抱えられている方とか、副業をしたい方とか、時間の制限があっても働けることが、女性と男性どちらにも望ましい社会だと思いますので、この事業を通じて、女性も男性も働きやすい職場環境を作るような支援を、横浜市としてもやっていければと思っております。
楊:実は、台湾では20万人に近くの人が日本語を勉強しております。日本で働きたい人の中には、日本の職場環境に不安を抱えている人は少なくありません。日本で就職を考えている台湾女性たちにアドバイスがありましたらお願いします。
大友:日本は今後人口が減少していきますので、恐らく中小企業も含めて、今後は海外へのサービス展開が必要になってくるのではないかと思います。台湾の方をはじめ、アジアの方が日本企業の貴重なお客様だと思いますが、エンドユーザーの視点を持っている外国の方が日本の企業に入っていただいて、製品やサービスを開発するのは、経営戦略的に非常にメリットがあると思います。日本の企業が台湾女性の素晴らしい視点を取り入れると同時に、台湾女性も生き生きと働けるのではないかと思います。
楊:本日大友さんに貴重な言葉をいただき、感銘を受けました。初めての日本語でのインタビューの相手が大友さんで本当に幸いです!本日いただいた情報はきっと台湾の皆さんの助けになると思います。本当にありがとうございました!

「現状打破!」もっと優しく、公平な社会を目指す、
横浜女性活躍推進フォーラム 

 

 2015年に『女性活躍推進法』が公布・施行されて以来、職場上の女性活躍に関する議題はずっと注目されています。昔、伝統的な固定観念と出産や育児などの現実的な問題が原因で、女性は充実したキャリアアップを目指そうとしても、家庭に戻らざるを得なく、キャリアが途絶えてしまい、職場復帰すらできませんでした。
 少子化と人材不足など労働力不足の問題に伴い、女性と男性が共に活躍することが求められています。横浜市中小企業女性活躍推進事業は、女性従業員のスキルアップを目的とした女性活躍チャレンジ実践講座、業界特有の課題を解決するための業界別出張セミナー、企業に社会保険労務士等を直接派遣する専門家派遣、女性専用設備の設置や就業規則改定のための助成金などの様々な支援策を立ち上げています。
平成30年度、横浜市中小企業女性活躍推進事業が掲げたテーマは「現状打破~今年こそはじめる女性活躍推進~」です。女性活躍推進フォーラムは、一年間の事業成果と企業の具体的な取り組みを共有する重要なイベントとして、2月13日に横浜情報文化センターで行われました。
 各企業・団体の取り組みはとても有効な成果が出ていました。積極的に横浜市などの自治体が開催したイベントなどに参加しただけではなく、独自に自社に合った対策を行っている企業もありました。例えば、ある企業は、女性社員による業務改革委員会を立ち上げ、女性が自由に提案し、デザインできる環境を創造しました。女性は男性と違う視点を持ち、時に男性が想像できないようなデザインの建築や製品を考え、人々を驚かせることもあります!

そして、企業も制度を改革しています。例えば、テレワークの導入。在宅で仕事ができるため女性が時間を有効に使えて、育児中でもキャリアが途絶えることがありません。あるいは、社員が育児休業制度を使い復職しやすくし、会社にとっても人材を失わず、双方にとって利益があります。
 ただ、これら素晴らしい成果を簡単に出せたわけではなく、もちろんたくさん問題点に遭いました。例えば、男性社員が女性活躍への対策に異議を持ち、自分の勤務時間は女性社員より長いのではないかと思ったり、ワーク・ライフ・バランス(WLB)は女性だけのものではなく、自分も介護休暇を取りたい、テレワークも使わせて欲しいと思ったり…など、新しいことを始めようとするとこういう意見もたくさん出てきます。「活躍」の定義とは何か、現状でもまだ足りないのかと疑問に思っている方もいます。これらの問題には、継続的な発信とコミュニケーションが必要です。女性職場環境の改善は短時間で成果を出せるものではなく、根気強く、ゆっくり目標に近づくことです。
 女性活躍推進フォーラムは、発表した企業・団体と来場者の交流会をもって、終わりました。確かに、昔の日本の職場環境は女性に対して優しくなかったかもしれませんが、自治体と民間企業の持続的な努力を通して、状況は改善しています。きっと近い将来、横浜市中小企業女性活躍推進事業がより良い効果をうみ、多くの女性が活躍する姿が見えてくるに違いありません。


国籍、性別などは関係なく、
能力、多様化の視点でキャリアライフを決める。

大江電機株式会社企画室 沈思妤さん

台北市出身。台湾国際企業人材育成センター日本語コースを専攻し、大江電機株式会社での研修をきっかけに、同社に入社。現在も台湾人である女性として活躍中。

楊:本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。台湾では現在、日本で就職したいと考えている女性が多いです。台湾人である沈さんにお話しを伺いたいのですが、なぜ日本で就職することにしましたか。

沈:日本語力を鍛えるために、日本で就職することを決めました。なぜかというと、日本語検定「N 1」に合格しても、日本語力が身に付いたとは言えないため、日本で就職することを考えておりました。また、自力で外国で生活したかったことも理由のひとつです。
楊:私も同感です!私もN 1に合格しましたが、日本語で自分の考えを表せずに悩みます。沈さんが日本に来てから、もう 6年が経ちましたね。台湾人で女性である沈さんは、日本の職場でどんなメリットがあると思いますか。
沈:私の考えは、仕事上のメリットは国籍や性別、どんな国の職場かなどは関係なく、自分の性格と能力によって決定されるものだと思います。需要(雇用主のニーズ)と供給(被雇用者の能力)が一致すれば、メリットがあると感じます。例えば、もし会社が台湾の企業とビジネスをしていたら、中国語が話せることはメリットです。
楊:そういうことですね!こうして実際に日本へ来てみて、何か日本に対する印象が変わりましたか。
沈:現代社会では、インターネットを通して多くの情報が簡単に手に入ります。私も来日前に日本について調べましたが、実際に来てみたらほぼ期待通りでした。でも一番印象的だったのは、日本語の婉曲表現だと思います。日本語を使えば使うほど、日本語の表現の細やかさや微妙なニュアンスに驚きます。「今日の服きれいですね!」というコミュニケーションのための言葉も、もしかしたら、褒める言葉ではなく、適切な服ではないと指摘している可能性もあります。日本特有の「気遣い」に慣れてしまって、はっきりと物事を言う傾向がある台湾人にびっくりされたこともあります。 ()
楊:そうですか!(笑 )慣れていなかった環境で、きっと大変なことが色々あったのでしょうね。日本に来てからご苦労もあったと思いますが、それを乗り越えた最大の出来事を教えてください。
沈:大江電機はブランディング戦略の一環として、 26日から 28日にパシフィコ横浜で開催された「テクニカルショウヨコハマ 2019」へ出展いたしました。大江電機は商社として、メーカー名を敢えて掲示しないで、初めて自社ブランドとして出展しました。今回私は初めてリーダーを務めさせていただき、プロジェクトメンバーと一緒に半年間かけ、企画から運営までを取りまとめ、無事に終える事ができて達成感がありました。3日間で約 570人近く大江電機のブースに立ち寄って頂き、集めたアンケートのうち、 60%以上のお客様は大江電機のことを知らなかったとご回答頂きました。「知らなかった人々に大江電機のことを知って頂く」まさしく、今回展示会の出展目的に一致し、とてもやりがいを感じる仕事でした。


楊:私も貴社のブースへ行きました。本当に素晴らしかったです。成功してよかったですね!この 6年間の中で、「ああ、あの時に日本に来て本当に良かった」と思ったことはありましたか。
沈:自分の家族にも日本の生活を味わわせることが出来たことが一番よかったと感じました。特に両親が日本へ旅行に来た時、私が日本語の通訳として色々なところを案内できるし、おいしいものを紹介することができて、ああ、日本に来てよかったと思いました。
楊:そうですね。仕事上のことだけではなく、日常生活にもいいことがありますね。でも、なぜ日本に長期滞在することにしたのですか。
沈:以前外国人の友人から「自分の国の価値観だけ持ってはいけない」という言葉をいただいて、感銘を受けました。海外生活を通じて、様々な文化や視点を持つことができ、今の仕事にもまだ成長の余地があるため、そのまま仕事を続けました。また、大江電機は本当に社員にやさしい会社なので、
貴重な仕事・成長機会を頂いたため、恩返しがしたいと思いました。
楊:最後に日本で就職を考えている台湾の女性にアドバイスがありましたら、お願いいたします。
沈:まずは、日本語をきちんと勉強することです。日本語の使い方を間違ってしまうと仕事にトラブルが起きます。そして、日本人の考え方を理解することです。考え方を理解・共感しないと、どんなに正しい日本語を使ったとしても、話は通じません。それと、最後は人脈です。もし将来日本に就職しに来ましたら、台湾人の友達だけではなく、日本人や外国人の友達をたくさん作ってください。
楊:本日沈さんの言葉をいただき、私も勉強になりました。きっと台湾の皆さんにも役に立つと思います。本当にありがとうございました。私もこれから沈さんの活躍を応援しております!


必要不可欠な存在!協進印刷の女性たち

 協進印刷は女性活躍に取組む企業として、従業員の約半数は女性社員です。女性社員たちは、男性に負けず、横浜地域の人々のために、生き生きと働いています。「協進印刷の女性は本当に優しい!」という声は常に聞こえてきます。早速、協進印刷の女性社員を紹介しましょう。

綺麗な夜空の月のように、皆の道を導く

真島愛子


 第一印象は「綺麗」です。初対面の時、筆者は「楊君の担当の人はすごく綺麗!いいなー」と周りの人に言われました。入社してから実際に観察すると、真島さんは総務部と研修生の担当の仕事だけではなく、他部署の支援もし、企画も立ち上げ、指示を出し、そしてお客様にも完璧に対応しています。腕が良く、社内の皆に頼られています。実は、真島さんは社会人当初は東京にあるアパレルメーカーに勤めていました。ショップ店員の経験を通して、コミュニケーションの能力を身に付けました。そしてイベンド制作会社に入社し、現場の多種多様な状況を判断しなければならないので、観察力と判断力も上達しました。これらの経験を積んで、今の社内の皆が頼れる存在になっています。真島さんは協進印刷の研修生を担当していますが、自分がやりたいことを考えさせて、社会人として必要な知識を丁寧に教えて、研修生や新入社員にとって本当に最高の指導者です!

太陽のように、皆に元気を

村上知子


 笑う声があれば、村上さんはきっとそこにいます。長時間仕事に集中すると、ストレスが溜まり、疲れるのも仕方ありません。ただし、村上さんが常に冗談を言って、皆を笑わせて、元気を皆にくれます。村上さんがいれば、頑張る気持になれます。村上さんは一回暫く働くことから離れたことがあります。子育てが原因で、前の仕事を辞めました。しかし、子供が小学校に入り、友たちができたりして親の手から離れたことを機に、そろそろ社会に戻ろうと思って、協進印刷に入社しました。村上さんの子供さんと社内の若い社員は同じ世代ですから、社内の若い同僚の考え方が理解できて、優しく付き合っています。ただ、時に自分の子供のような感じで接してしまうこともあります(笑)。村上さんも外国人の筆者のために、話すスピードを落としてくれます。村上さんの優しさ、研修生の筆者はちゃんと感じました。

芽を出したばかり、これからは成長する一方

本橋愛加


 入社三年目、社内で最も若い本橋さんは、営業の仕事を担当しています。営業と企画の経験を重ね、今の段階に至りました。最初と比べると、自分が成長したことに気付く瞬間は弊社ならではの企画、「ありがとうの日」です。本橋さんは地域の高齢者たちを火災から守りたいという気持ちを込めて、「ありがとうの日」の企画で、高齢者のための「防火ボード」を作りました。ただ、この企画はただ単純に作るような簡単なものではありません。このプロジェクトは、神奈川消防署が防災対策方法を提供してくれて、そして六角橋地域ケアプラザの利用者に配布しました。プロジェクトをゼロから立ち上げ、神奈川消防署、六角橋地域ケアプラザ、そして協進印刷の協働で成功させた経験は本橋さんにとって、大切で、自分が成長した証明です。筆者の目から見ると、本橋さんは本当に毎日全力で、色んなことを体験しています。社内の優しい先輩たちのご指導のもとで、本橋さんはきっとこれからも成長し続けると思います。


忘れられない思い出になれ!
協進印刷台湾インターンシップ生の感想

台湾研修生 楊 仁甫


 この感想を書いている現時点、三週間の研修はもうすぐ終わります。「何かを完成させたい」、これは日本に来る前に決めていたことです。協進印刷で研修させていただいて、社長に有意義な話を聞いて、そして皆さんが働いている姿を見てから、「何かを完成させたい」は「誰かのために何かをしたい」になりました。
 今回 JO台湾特別号の制作のおかげで、私は色んな「初めて」に挑戦しました。初めて日本語でのインタビュー、それに対象は行政の方です;初めて日本人が語る自分の体験談を聞きました;初めて日本語でたくさんの方々の考えを整理し、大量の文章を書きました。これらのことは、協進印刷でしか体験できないことです。印刷業特有の多種多様な企業から行政機関に至るまでの取引があるからこそ協力してくださり、社会にある団体と交流する機会があります。

たくさんの方々との対話とコミュニケーションを通して、社会の全貌が理解でき、見える世界も広くなってきました。私はこれらのことをこれから台湾人に紹介して、皆の役に立てればいいなと思います。もしこの台湾特別号が完成したら、きっと私が協進印刷に来られて、たくさんの人に会えて多様な経験ができ、そして優しい皆さんに助けていただいたからです。このJO台湾特別号は「今ここにいる私」にしかできないものです。JOを作る過程は、一生忘れません。
 こちらに、私も自分の力不足を深く感じました。今まで私は、「効率」を重視しがちで、いつも早く仕事を終わらせたいと思っていました。でも今回の研修で協進印刷の品質のこだわりを深く感じました。協進印刷の理念はステークホルダーを重視し、小さなミスもないように気を付けています。この三週間、本当にたくさん迷惑をおかけしました。ミスをしてしまった経験をしっかり台湾に持って帰って、常に自分を戒めます。
 私は「縁」を信じています。一年半前に日本語の勉強を始めると決意したことは、協進印刷の皆さんに会ったことと、JO制作中にたくさんの方々に会ったことと繋がっています。これらの思い出は私の宝物になります。皆さん、本当にありがとうございました!