Media Universal Design
MUD(メディア・ユニバーサルデザイン)で情報アクセスビリティを実現
MUDの取組み
MUD(メディア・ユニバーサルデザイン)とは
MUD(Media Universal Design - メディア・ユニバーサルデザイン)とは、障害の有無や年齢、国籍、色の感じ方などにかかわらず、できるだけ多くの人にとって情報が伝わりやすいようにするための配慮手法です。
できるだけ多くの人が利用可能なことを目指して作られたデザインのことをユニバーサルデザインと言い、この言葉は聞いたことがある方も多いでしょう。このユニバーサルデザインの考え方を、情報伝達の分野に当てはめたものが、MUD=メディア・ユニバーサルデザインです。
多様性が重視される社会となり、障害の有無にかかわらず、すべての人が自分らしく活躍できる社会を目指した動きは日々増しています。
情報伝達においても、情報アクセシビリティという考え方に基づき、障害の有無に関わらず取得しやすいような、情報発信のあり方が求められるようになってきています。法整備も進んでおり、令和6年4月施行の「改正障害者差別解消法」や、令和4年5月施行の「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」など、事業者に対して配慮を求める動きも盛んになってきています。
ココラボでは、MUD=メディア・ユニバーサルデザインの考え方に基づいたサービスのご提供・ご案内を行い、少しでも多くの方が情報にアクセスしやすい社会の実現を目指し、MUDの推進を行っています。
例えば、このような人たちが、情報取得に困難を感じています
情報化社会という言葉のイメージからも、「情報」というと、インターネットで検索して得られるような知識や時事に関する話題などを想像しがちです。もちろん知識も立派な情報です。しかし実は、私たちが普段何気なく過ごす生活の中にもたくさんの「情報」が溢れていて、知らず知らずのうちにそれらの「情報」に基づいた行動を取っています。
そして、私たちにとっては意識しないような「情報」でも、実は取得するのに困難を感じる方もいるのです。どんな人でもなるべく平等な情報へのアクセスを実現するためにも、情報のユニバーサルデザイン化=MUDが求められています。
視覚障害者
- 音声読み上げがない、正確に読み上げないなど正しい情報を取得しづらい
- 点字は読めない方の方が多い(視覚障害者の約10%ほどしか読めないと言われる)
聴覚障害者
- 電車や自動車の接近に気付きづらい
- 見た目で障害を持っていることがわかりづらい
色覚異常
- 色に依存したデザインだとわかりづらい
- 日本人男性の約20人に1人の割合
高齢者
- 加齢により、程度差はあるが誰でも、目の水晶体が濁る白内障になる
- 視力の低下、かすみがかって見える、光がまぶしく感じるなどが生じる
外国人
- 日本語の文字だけの案内だとわかりづらい
- ピクトグラムや図形など、言語に依存せず誰でもわかりやすい表現が望ましい
子ども
- 漢字や専門用語などはわからない
- 読字が苦手な傾向(ディスレクシア)がある場合に、UDフォントなどの識別しやすいフォントを使用することで改善するケースもある
MUD化することで、多くの人に伝わりやすさを実現できます。
MUD(メディア・ユニバーサルデザイン)に配慮した表現、デザイン手法を用いることで、より多くの人にとって伝わりやすいことを実現し、情報アクセシビリティの充実につながります。ここではMUDの導入例として、3つの例を紹介します。
①色の組み合わせを工夫する。
色覚異常は、人間の目の網膜にある色を識別する細胞の機能不全により、一部の色の見分けが困難な状態のことです。多くは遺伝的要因によって先天的に現れます。日本では男性は約20人に1人、女性は約500人に1人いると言われています。
色覚異常には見分けづらい色の組み合わせが存在します。色の組み合わせやデザイン技法を用いた工夫をすることにより、色覚異常の有無にかかわらず見分けやすくなる、MUDの実現が可能です。
②図式化・記号化する。
日本語だけの表現では外国人に伝わらないことがあります。あるいは難しい言葉や漢字の表現では、子どもに伝わらないことがあります。図・記号・ピクトグラムなどで表記することによって、伝わりやすくすることができます。
また漢字が読めて意味も理解できる人であっても、図式化・記号化することによって一目ですばやく理解できるので、利用しやすさの向上が期待できます。このような、誰にとっても利用しやすいというのはまさにMUD=メディア・ユニバーサルデザインの考え方として重要なポイントです。
③読みやすいフォントを使用する。
高齢の方をはじめ視力の低い方には、文字が潰れて読みづらかったり、反対に細過ぎて見えづらいことがあります。例えば数字の3と8を混同したり、濁点なのか半濁点なのか(「ば」なのか「ぱ」なのか)がわかりづらかったりということは、多くの人が経験があるのではないでしょうか?
このような文字の読みづらさを取り除き、見やすく判別しやすいように設計されたフォントが、UDフォントという書体です。フォントをUDフォントに置き換えるという手軽な手法でも、MUDとして情報アクセシビリティの確保に貢献できます。
MUD(メディア・ユニバーサルデザイン)についても、ぜひご相談ください。
ココラボでは、メディア・ユニバーサルデザイン教育検定(MUD検定)の資格を取得したスタッフが在籍。より多くの人にとって利用しやすい、MUDに沿ったデザインをご提案しています。MUDを取り入れたデザインをご検討の方やもっとMUDについて聞いてみたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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