「豆本を作ろう」と題して、全4回に分けてお家や会社の印刷機を使って、簡単に豆本を印刷・製本して作れる方法をご紹介します。
第1回は、「豆本とは?」です。
豆本ってご存知でしょうか。
豆本とは、手のひらに収まるサイズの小さな本の総称です。
具体的なサイズがはっきりと定義されているわけではありませんが、西洋では8.5mm 〜 76.2mmのものを指すようです。
日本では、伝統的な和書のサイズが和紙の大きさを元にして決められていたことから、半紙の4分の1以下、現代でいうA6判(105mm×148mm)以下ぐらいのものを「特小本〈とくこほん〉」と分類していました。
日本豆本協会は、西洋の定義にならい「長辺が3インチ(76mm)以下」としながらも、「肉眼で読める大きさの文字で書かれた書物であること」も条件に加えたいとしています。
西洋や中国では古くから聖書や経書の一節を豆本にして持ち歩く文化があり、特に産業革命以後鉄道旅行が一般的になったことで、広く普及しました。日本でも江戸時代以前は馬上で読める本として豆本が作られていましたが、明治以降コストばかりかかって非効率であるとの理由で廃れていきました。日本で再びブームとなるのは1953年(昭和28年)札幌で刊行された『ゑぞまめほん』がきっかけでした。以来、豆本は書籍のジャンルのひとつとして確立し現在に至っています。
印刷物が電子メディアに置き代わり、世の中から少しづつ形ある「本」がなくなってきています。そんな時代だからこそ、オリジナリティのある「本」が今より大きな価値を創っていくのかもしれません。昔、西洋の貴族が、製本職人にこぞって本を作らせたように、手製本で作ることに価値が見出される時代が来るかもしれません!あなたも「豆本」を作ってみませんか?
次回はいよいよ豆本作りに取り掛かります。第2回「豆本のコンテンツをつくろう」をお楽しみに!