1年待たされたオリンピックはまさかの無観客開催。将来世代に禍根を残すかもしれないリスクを犯してまで感染者をミニマムに抑えていたのは、てっきりオリンピックを開催したい一心でのことかと思っていたが、あくまで政治的思惑と判明してがっかり。政府だけを悪者にしては気の毒だが、人々の信任を得、行動を促すには目的と目標を明確にすることが本当に大切なんだと、今回の一件で骨身に沁みた。人のふり見て我がふり直せ、我が経営に生かしたい。
抽選は外れているので、どのみちテレビ観戦なわけだが、観客がいるのといないのとでは、テレビを観る方のテンションもだいぶ違うだろう。いつものように夜中までテレビにかじりつくとも思えないが、アスリートに罪はない、ビール片手に餃子でもつまみながら日本代表を応援することにしようか。
餃子の焼き方には一過言ある方も多いと思うが、多少の違いはあれ基本的には水を加えて一気に蒸し焼きにする方法。料理の仕上がりとしてはフレンチでいうところの「ポワレ」に近いようだが、ポワレは蒸し焼きの際に水分は加えない。ちなみにポワレとは鯛や鱸などを皮目はカリッと身はふわっと焼いた料理のこと。
フランス料理には蒸し焼きに類する実に多くの調理法があり、ポワレの他にもブレゼ、エチュベ、エトゥフェなどそれぞれ微妙に異なる。ブレゼはどちらかというと蒸し煮、エチュベ、エトゥフェは野菜などを素材自体の水分で蒸し焼きにする調理法で、ラタトゥイユなどはこの方法で作る。いろいろ調べてみたがどうやら焼き餃子にあたる調理法はフランス料理にはないらしい。そういえば「蒸し器」というのもヨーロッパ料理では使わないそうで、洋の東西では味や素材のみならず調理法にもそれぞれの個性がある。
今宵はヌーベルキュイジーヌに挑戦。真鯛のポワレにコチュジャンのソース、韓国海苔を買い忘れて普通の海苔で。(江森克治)