【連載】MUDとは? 〜情報弱者を作らない!メディアのユニバーサル・デザインとは?〜

今回は【連載】MUDとは? 〜情報弱者を作らない!メディアのユニバーサル・デザインとは?〜
と題しまして、4回にわけてMUD(メディア・ユニバーサル・デザイン)についてお話させていただきます。
MUDの説明から、MUDで解決できること、MUDの作り方、事例紹介を行います。
第1回の今回は、MUDの理念、必要性についてお話していきます。

MUDってなに?

色の使い方、文字の大きさや形、レイアウトなどに配慮して、
色覚障がい者や、高齢者、こども、外国人の方など、「誰もが使いやすく見やすいデザインをする」という考え方を
「メディア・ユニバーサル・デザイン(MUD)」といいます。

2016年4月1日施行された「障害者差別解消法」では、障害のある方に対して合理的配慮をすることが義務として明記されており、配慮すべきポイントとして「建築物のバリアフリー化」「介助者等の人的支援」「情報アクセシビリティの向上」が挙げられています。

その中の「情報のアクセシビリティの向上」の分野でMUDは役立ちます。
2021年の法改正で行政機関だけでなく、事業者も合理的配慮を行うことが「義務」になりました。
だれもが情報を受け取れるように、情報弱者を作らないためにはMUDを取り入れることが効果的です。
これは、SDGsの目標「10.人や国の不平等をなくそう」にも関わってきます。

情報弱者になりうる人たちってどんな人?

日本人は男性の約5%(20人に1人)、女性の約0.2%(500人に1人)で色覚障がいがあると言われております。男性ではクラスに1人か2人の割合で色の判別が難しい人がいるということになります。
また、2021年の日本の高齢者の割合は29.1%となり、いまや約4人に1人が高齢者です。老眼や白内障など、加齢により視覚に不自由を感じている方も多いと考えられます。

他にも、視覚障がい者、肢体不自由者、こども、外国人、LGBTなど、情報伝達において配慮が必要な方はたくさんいらっしゃいます。多様性を尊重する社会の実現のためには、だれもが正確に情報を受け取るための工夫が必要です。

MUDの5原則

このように情報についての様々な不自由を軽減し、誰にでも見やすくわかりやすい情報伝達を目指すのが、「メディア・ユニバーサル・デザイン(MUD)」です。MUDには5つの原則があり、これらを考慮したメディアの作成を推奨しています。

●アクセシビリティ「接近容易性」:必要な時に必要な情報が得られること
●ユーザビリティ「使いやすさ」:利用状況に関係なく、どんな人にも使いやすいこと
●リテラシー「読めて理解できる」:言語や表現の工夫で、どんな人でも内容が理解できること
●デザイン「情緒に訴える」:どんな人にも魅力的で行動を誘発するデザインであること
●サステナビリティ「持続可能性を満たす品質であること」:人や環境にやさしく、将来にわたって長く使用されること

行政機関からのお知らせや、防災・防犯など、情報が正しく伝わらないことで、公平性や場合によっては命にに関わることもあり、受け取り手の状況に配慮した情報伝達を心がけたいものですね。以上第1回「MUDの概要」でした。

次回、「【連載】MUDとは? 〜MUDで解決できるあんなこと、こんなこと〜」では、具体的な場面を想定しながら、MUD活用の可能性についてお話をしていきたいと思います。

【連載】MUDとは?
第1回
第2回
第3回
第4回

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