コロナの夏に思うこと

メディア掲載のお知らせです。
弊社代表の江森が「日本の印刷」に寄稿しています。
ぜひご覧くださいませ。

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コロナの夏に思うこと

神奈川県印刷工業組合理事長 江森克治

 夏の風物詩として親しまれてきた「甲子園」が戦後初の中止となり、各都道府県では代替大会が開催されています。地元神奈川県でも8月1日からトーナメント方式により、「神奈川高校ナンバーワン」を決める熱戦が繰り広げられています。大会開催にあたっては、部活動の対外試合を原則禁止していた県教育委員会と、開催を模索する県高野連の間でかなり厳しいやりとりがあったようですが、いずれにしても高校球児に「けじめ」としての晴れ舞台を用意するために努力されたすべての関係者の皆様に、高校野球をこよなく愛する元球児として、心よりの感謝を申し上げます。

 高校野球に限らず、部活動の大会開催をめぐってはマスコミはもとより、SNS上でもさまざまな議論がなされていました。「大人になれば良い思い出」的な慰めの言葉も見られましたが、高校生たちにとっては3年生の大会を戦えるのは「今」しかなく、これまでに積み上げてきた努力のすべてを「今」出し切るからこそ、大人になってからも良い思い出なのであって、それを第三者がとやかく言うべきではありません。我が母校の緒戦相手も大会直前に辞退が決定し、不戦勝という拍子抜けな結果となりました。学校として対外試合を禁止しているので、野球部だけ特別扱いはできないという理由のようですが、選手の気持ちを考えるとなんとかならなかったものかと残念でなりません。

 東京オリンピックの延期をはじめとして、ほとんどのスポーツ大会や文化イベントなどが中止、延期を余儀なくされました。万が一、そのイベントによって感染が拡大してしまったときの責任は誰が取るのかということなのでしょうが、これまでの競技人生の集大成になるはずだった選手たちの機会を奪うことの責任は問われないのでしょうか。私たちは多くの人たちの健康を考えるのと同じ重さで、ひとり一人の学生の経験の重さ、この経験が彼らにもたらしたであろう成長を、どうやって償ってあげられるのかということも、考えなければいけないのではないでしょうか。

 部活だけではありません。この冬の大学受験を控えた高校3年生にメンタル不調者が多発しているという話も耳にします。新学期早々リモート授業になってしまい、勉強が思うように進んでいない多くの受験生が、自信を失い不安を抱えています。感染症の拡大が社会的リスクであることは間違いありませんが、子供の成長の機会を奪うこともまた大きな社会的リスクであることを、私たちはもっと真剣に受け止めなければならないのではないでしょうか。この危機に正面から向き合い、たとえ世間の批判に晒されたとしても、大人として果たすべき社会的責任を全うできるか否か。いま、大人たちの覚悟が問われているように思います。

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