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GoogleとAmazonが合併した「Googlezon」という未来予測

世界中のほとんどの人が知っているであろう超巨大企業であるGoogleとAmazon。どちらも情報分野における巨大な影響力を持っている企業ですが、もしこの2つの企業が合併、ということになったらどんな世界になってしまうでしょうか。
2004年に作家のロビン・スローンとジャーナリストのマット・トンプソンによって、EPIC2014という映像コンテンツが制作されました。2004年の段階で、2014年までに起こるであろう出来事が語られる未来予測型の映像コンテンツです。そしてその中でまさに、GoogleとAmazonが合併するという未来予測が立てられていたのです。
2026年現在、実際には合併していませんが、しかしこのEPIC2014において語られている内容が当たっているということで、今回取り上げてみました。

EPIC2014の内容

EPIC2014は9分弱程度の映像コンテンツです。クリエイティブ・コモンズの元制作されており、現在では制作者からの直接の公開はないですが、YouTubeなどの各種メディアで閲覧することが可能です。(元々フラッシュ動画として作られており現在では視聴できないので、公式のページもYouTubeの動画を参照させるような作りになっています。フラッシュ動画というのが時代を感じさせます。)

この記事では、以下に簡単な要約として掲載いたします。

■ 導入

2014年、人々は前世紀まででは考えられなかったほど膨大な情報にアクセスできるようになる。
さらに誰もがそのメディア空間に参加し、貢献することになる。
マスコミは衰退し、もはや過去のものとなりつつあった。
これは、最良で最悪の時代である。

■ 2004年までの出来事(EPIC2014成立までの「事実」の話)

1989年 研究者のティム・バーナーズ=リーがワールドワイドウェブ(WWW)を発明
1994年 アマゾン・コムの設立
1998年 Googleの設立

アマゾンは店が客におすすめ商品を自動的に教えてくれるシステムを作る。
Googleは検索エンジンを作り、より多くの人にとって「正しい」順位のアルゴリズムを生み出した。
その他TiVo、Blogger、friendsterなどインターネット企業が数多く登場する。

2004年 Googleが上場し、多くのサービスを買収する

■ 2005年以降の出来事(EPIC2014の未来予測)

2006年 GoogleはGoogleグリッドを発表。あらゆるメディアを保存・共有する無制限のストレージを持つプラットフォーム。
各コンテンツを安全に保存したり、外部に公開することができるようになり、誰でもメディアを生み出すと同時に消費することができるようになった。

2008年 GoogleとAmazonが合併し、Googlezonが設立される。
GoogleグリッドとAmazonの巨大な商業インフラが統合され、個々人の人間関係、属性、消費行動などあらゆる情報を把握することで、コンテンツや広告のカスタマイズが可能になる。

2010年 Googlezonは新たなアルゴリズムで、あらゆる情報ソースから情報を抜き出して動的に記事を生み出す仕組みを構築。一人ひとりに合わせた記事が生み出されるようになる。

2011年 ニューヨーク・タイムズがGooglezonを著作権法に違反するとして提訴するも、敗訴。

2014年 GooglezonはEPICを公開。ブログの書き込み、携帯カメラの画像、映像レポートなど、個人の投稿に対し、その人気に応じた広告収入が得られるようになる。EPIC上ではユーザー属性に応じたコンテンツが生み出され、ユーザーは各人の趣向にあった情報を選別し消費するようになる。それらの情報は最大限活用されれば世界の要約となるが、最悪の場合では情報の寄せ集めにすぎず、そこに真実のない浅い内容となる。

ニューヨーク・タイムズはオンラインから撤退し、エリート層と高齢者向けに紙媒体のみを提供するようになった。

2026年の視点で見るEPIC2014

2004年の段階で、2014年の未来予測として作られたEPIC2014ですが、2026年の現在の視点から見てどのように感じるでしょうか。おそらく、今の時代のことをそのまま言っていると感じる方も多いのではないかと思います。あるいは、EPIC2014の未来予測は悲観的なもののように描かれている節はあるので、その感覚が古いと感じた人もいるかもしれません。
もちろんGooglezonのような超巨大な企業があらゆるメディアを打ち倒した独擅場状態、ということは起こっておらず、オールドメディアという言葉も話題には上がっていますが、影響力を完全に失ったということはないですし、メディアの多様性は確保されていると言えます。とはいえ、その影響力自体はかつてほどは無くなっていますから、EPIC2014の予測は部分的には当たっています。

またEPICというサービスで示されているような、ユーザーが情報を主体的に発信し、またある時には別のユーザーの情報を消費するという構造は、まさにSNSを象徴する構造です。広告収入を得られる仕組みというのも、YouTubeをはじめとして実装されている仕組みです。
おそらく私たちが最も考えなければいけない点としては、このEPICというサービスがもたらす結果の部分でしょう。うまく活用すれば世界の情報の要約が得られるが、失敗すれば真実のない情報の寄せ集めとなる。現代のSNS時代においてもまさに同じことが言えるでしょう。多くのメディアではアルゴリズムによってユーザーの求める情報を提示する最適化がかかっていますから、なおのこと情報に対して積極的に向き合おうとしないと、情報に振り回されることになります。
さらに近年ではAIの台頭により、ますます情報の入手が容易になっています。もちろん効率的に情報を得られる点においては有用です。しかしただ情報を鵜呑みにするだけでは、情報の取捨選択をする能力は衰え、物事の本質に至ることはできなくなってしまうかもしれません。
EPIC2014の中で、ニューヨーク・タイムズがエリートと高齢者にだけ紙媒体で売るという表現も大変皮肉が効いていて、ちゃんと考えようとしない愚か者になってしまっては、情報に搾取されてしまうぞという警鐘だということがよくわかります。

今の世の中はすでに情報とは不可分であり、双方向のコミュニケーションも、アルゴリズムによる最適化からも、逃れることはできません。そしてAIは日に日に、加速度的に進歩しており、その傾向はより一層強化されていくことでしょう。だからこそ今一度、立ち止まって、情報との向き合い方を考えるのも大事かもしれません。

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