さて第四回の今回は、「豆本を印刷しよう」 ~プロのワザ“面付け”とは?~ です。
面付けとは?
みなさん「面付け」ってご存知でしょうか。
「面付け」とは、冊子や本など複数ページある印刷物を作る時に、用紙に各ページのデータを正しい順で配置することをいいます。
ご家庭や一般企業で印刷する際には、1ページを1枚の用紙に印刷していっても製本できます。
しかし、印刷会社ではより効率よく・美しく印刷するために、大きな用紙にページを配置して、刷り上がったものを折ったり、切ったりして製本していきます。
表面と裏面のペ-ジ数が正しい順番で並んでいないと、冊子になった時にページの順番がずれてしまいます。
また表裏の関係も考えて面付けしなくてはいけません。
紙で見本を作ってみよう!
今回はA4サイズのコピー用紙に面付けしていきます。
中綴じと無線綴じでは、ページごとの紙の重なり方が違うので、ページの配置順番が異なります。
実際に紙を断裁し、折って、見本を作成してみました。今回は絵本を中綴じ、小説を無線綴じで作ります。
絵本は本文が24p、小説は32pです。
●絵本の中綴じ紙見本
表 裏
このように一枚の紙に面付けすると、本の形になるということですね。
●小説の無線綴じ紙見本
表 裏
表 裏
このように、本にした時にどこにどのページを配置したら良いかを決めてから、データを配置していきましょう。
面付けしてみよう!
それでは、第二回で作成した絵本と小説のデータを配置してみましょう。
●中綴じの場合
表
裏
●無線綴じの場合
表
裏
このように面付けして、紙を等分し断裁すれば、豆本のサイズになります。
しかし、このように配置して印刷すると、印刷機によっては紙の端まで印刷できず、周りに白い余白が出てしまいます。
気にならない方はこの面付けでもいいですが、印刷会社ではこのように面付けしております。
印刷会社でおこなう面付け
表 裏
表 裏
表 裏
紙の端まで印刷せず余白をつけました。黒い「トンボ」というガイドに沿って断裁すると
希望のページサイズになるようになります。
また、絵本の方はページの端まで絵を印刷したいので塗り足しをつけました。
「塗り足しをつける」とは、仕上がりより大きく余白を印刷し断裁した時に端まで絵がくるようにする工夫のことです。
今回はIndesignというソフトで作成いたしましたが、wordやイラストレーターで同じように画像を配置しても作成できます。
ここまで連載してまいりましたが、次回はついに最終回、製本をおこないます。
それでは第五回「豆本を製本しよう」でお会いしましょう。