夏休みも終盤に差し掛かろうかという8月中旬。全印工連とMUD 協会主催の「伝えるためのユニバーサルデザインフェア」が開催された。業界関係者はもとより、学生さんや親子連れなど、3日間で1000 名を超えるご来場をいただき、メディア・ユニバーサルデザインの社会的意義と、「誰一人取り残さない」インクルーシブな取り組みへの関心の高さを再確認する機会となった。
フェアの中で、静岡文化芸術大学の小浜朋子教授による、スーパーマーケットでの商品の見つけにくさに関する研究の成果発表があった。スーパーに買い物にいって、目指す商品が見つからずグルグル何周もまわってしまった経験は誰しもお持ちのことと思うが、そういうことがなぜ起きるのか、どうすれば探しやすくなるのかについて、商品表示のあり方とともに解き明かしていくという、とても興味深い研究だった。
実は小生、この研究過程の実験に参加した。実際に近所のスーパーに行って、小浜教授から示された商品の陳列や表示に関する質問に一つひとつ答えていく。「海苔の佃煮は何売り場にありますか?」「商品カテゴリーの表示は天井についていますか?棚についていますか?」など、設問ごとにあっちに行ったりこっちに行ったり。ジャケット姿でカゴも持たず、スマホ片手に店内を何周も回っている怪しいオヤジ…。きっとライバル店のスパイと疑われたに違いない。
設問の中で激しく共感したのは「トマト缶」。トマト缶は本当に見つけづらい。トマト缶は缶詰なのに、缶詰売場には売っていない。パスタ売場に置いてあることが多いようだが、ケチャップの近くという場合もある。実にややこしい。
記録的な酷暑となった今夏。ひとり飯で活躍したのはソーメンで作る「和え麺」。10 分で作れて、つるっと食べられる。タイ風、中華風、韓国風など、バリエーションを楽しめるのも魅力。写真はイタリア風。トマトバジルのソースにピーマンとカリカリペーコンをトッピング。(江森克治)