堺打ち刃物 水野鍛錬所製「源昭忠」

 4月に入ってようやく野菜の相場が落ちついたと思ったら、春野菜が続々と出てきてスーパーの野菜売り場に置き場がないぐらいの盛況ぶり。今日は何にしようかと迷うほどの選択肢があるのはうれしい限り。中でも売り場でひときわフレッシュ感を振りまいている「三浦の春キャベツ」をひと玉チョイス。まずは生で食べたいので、付け合わせはキャベツの千切りに。主菜はあとから考える。

 ところでキャベツの千切りの成否は何と言っても包丁次第。普段はIKEAで買った頑丈だけどちょっと鈍重なステンレス包丁を使っているが、キャベツの千切りと冷やしトマトを切る時だけは、大阪堺の水野鍛錬所製「源昭忠」の登場。

伝統工芸品として名高い「堺打刃物」の歴史は古墳時代にまで遡るが、全国的に注目されるのは鉄砲が伝来した16世紀、信長が鋳造技術に優れた堺の職人に鉄砲を作らせたことによる。戦国時代には全国の有力大名が密かに鉄砲を注文していたという記録もあり、堺は鉄砲鍛冶の町として知られることになる。その後徳川幕府が堺の煙草包丁を専売制にしたことで、その地位を確固たるものにしていった。水野鍛錬所は1872年創業。伝統の技を今に伝える名工だ。

 重力だけですっと切れる包丁で刻んだキャベツのお供は生姜焼き。今日の生姜焼きは定食屋さんでいうところの焼肉定食的なレシピで。生姜は半分千切り、半分おろして、おろしにんにく、醤油、みりんに砂糖を加えた甘辛ダレに、豚の小間と小口切りにした玉ねぎを加えてしばし漬け込む。何かお酒をおすすめしたいところだが、このおかずに一番あうのは白いご飯。お酒は食後に、口直しのピクルスと甲州100%の白ワインでさっぱりというのはどうだろう。(江森克治)


刃の部分になる硬い鋼と、刃体の部分になる柔らかい地金を鍛接して作る堺打刃物。
左の写真で刃先あたりのウネウネしているところが鍛接部分である「刃境」。
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