第十話(最終話) デジタルで広がるフォントの世界
近代印刷におけるフォント(言葉の定義はさておきあえて このように呼びます)の歴史は本木昌造が先駆けた鉛活字に 始まり、写真植字機研究所(写研)が開発した写真植字機(写 植)の時代を経て、コンピュータ上にデータとして存在する デジタルフォントへと進化してきました。デジタル以前は書 体別大きさ別に、活字や写植の文字盤といった物理的な「物 体」を製作しなければならなかったため、フォント開発には 莫大な労 […]
近代印刷におけるフォント(言葉の定義はさておきあえて このように呼びます)の歴史は本木昌造が先駆けた鉛活字に 始まり、写真植字機研究所(写研)が開発した写真植字機(写 植)の時代を経て、コンピュータ上にデータとして存在する デジタルフォントへと進化してきました。デジタル以前は書 体別大きさ別に、活字や写植の文字盤といった物理的な「物 体」を製作しなければならなかったため、フォント開発には 莫大な労 […]
第九話 文字セットと文字コード ひと昔前には、メールを開いたら*@a?/!xj¥%みた いな宇宙語が出てきたなんてことがよくありました。この文 字化けの原因になるのが文字セットや文字コードです。 世界各国にはいろいろな文字があるので、コンピュータで これらを表示させるために一定のルールを作ることが必要に なります。そこで、どんな文字をどういう順番で収録する かを定めた文字の集合体「文字セット(文字 […]
第八話 読みやすさとは 高齢化の進展により老眼の方が増えてきたこともあり、近年「文字を大きくして欲しい」というご要望をいただく機会が増えています。文字が小さいと読みにくいからというのがその理由ですが、文字が大きいことと読みやすいことにはどの程度の相関があるのでしょうか。 視覚のユニバーサルデザインを研究しているNPO法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会によれば、A4サイズの印刷物に記載する場 […]
第七話 送りとプロポーショナル 前回文字の単位の話題で、日本活字の特徴はすべての文字が同じ大きさの正方形(全角)の中に収まっていることとお話しました。この正方形を「ボディ」または「仮想ボディ」というわけですが、今日はこのボディとボディの間隔のお話です。 「行間」という言葉が一般によく使われますが、これは具体的にはどことどこの間を指しているのでしょう。文字間、行間といった場合、これはボディとボデ […]
第六話 文字の大きさの単位 鉛活字を用いた日本の近代印刷は江戸末期に幕府通詞の本木昌造らによって開発され、明治に入って本格的に普及します。日本活字の特徴はすべての文字が同じ大きさの正方形(全角)の中に収まっているということです。この正方形を「ボディ」といいますが、このボディの一辺の長さがイコール文字の大きさということになります。 本木昌造の時代、活字の大きさは「号」という単位で表しました。一番 […]
第五話 楷書体 楷書体とは手書きの筆文字風の書体で、挨拶状や名刺などでよく見かける書体です。役所の申請書類には必ず「楷書体で丁寧に書いてください」などと注意書きがあるように、楷書はすべての書体の基本のように扱われていますが、これには興味深い歴史があります。行書や草書という崩し字をご存知と思いますが、皆さんはあれは楷書を速く書くためにだんだん崩れていったものと考えているのではないでしょうか。でも実 […]
第四話 ゴシック体 明朝体と並んで馴染み深い「ゴシック体」。活版印刷を発明したグーテンベルクが開発したラテン文字は後年ドイツの国字となり「ドイツ・ゴシック」と呼ばれましたが、装飾が多く読みにくい書体でした。20世紀に入って文字の装飾を廃して太さを一様にした「サンセリフ」という書体が開発されて流行する中で、アメリカ人のベントンが開発した書体「オルタネート・ゴシック」が日本に輸入され、長い名前を省略 […]
みなさまこんにちは。今回は、弊社CSRの取り組み企画「ありがとうの日(※)」で制作いたしました動画「わかりやすいデザイン 文字編・色編」のご紹介です! 昨今のコロナウイルス感染拡大により、インターンシップの受け入れの中止や延期となった学生(特にデザイン系の大学や専門学校等)を対象に、なんらかの形で情報提供できればと考え、印刷会社ならではの視点から動画作成をすることにいたしました。学校以外でもデザイ […]