第一話 書体とフォント

 突然始まりました新シリーズ。少しは印刷会社らしい専門知識を披露するコーナーがあっても良いのではないかという企画会議での意見によってスタートすることになりました。

 「書体」と「フォント」の違いわかりますか?「書体」とは、みなさんよくご存知の明朝体やゴシック体といった、「一貫したデザインの文字の集まり」のことを指します。狭義では、WindowsについてくるMS明朝やMacについてくるヒラギノ明朝などもそれぞれ書体です。別名「タイプフェイス」とも呼ばれています。

 一方「フォント」はというと、もともとの意味は「同じ書体同じ大きさの活字のセット」のことだったそうです。若い方はご存知ないかもしれませんが、活字とは活版印刷に使う鉛で出来た直方体のコレ→です。かつては「初号明朝」や「5号ゴシック」などのように、書体と文字サイズごとに〝フォント名〟が違っていました。文字の大きさを変えるには、違う〝物体〟に取り替えなければならなかった活字時代と違い、現代ではコンピュータ上で文字の大きさを自由に変えることができるので、フォント名を使う必要がなくなりました。

 いまでは「フォント(フォントデータ)」は、コンピュータ上で利用できるひとまとまりの書体データを表す言葉として使われています。コンピュータの登場は私たちの生活を大きく変えましたが、「書体」と「フォント」の関係にも少なからぬ影響を与えたようです。

 「ここのフォントを明朝体に変えてください」という日本語、正しい?間違ってる?どう思います?

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