「脱プラ」の取り組みが、環境への取り組みとして近年かなり加速してきました。「プラスチック資源循環戦略」 や「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」などの政府の施策からも、プラスチック資源に対しての考え方を変えていかないといけないのだということが伺えます。
プラスチック資源についての話題になると、「脱プラ」という話はほとんどセットで出てきます。
しかし、これは地域によって異なりますが、ごみの分別でプラスチックごみが区分として明確に分かれている地域もあり、分別すればリサイクルもできるから脱プラする必要はあるのか、と感じる方もいるかもしれません。
むしろ脱プラで紙製品に切り替えられると、使いづらかったり、品質的にも満足できなかったり、やめてほしいと感じる方もいるでしょう。
プラスチックの「リサイクル」の実態
日本のプラスチックのリサイクル率については、環境省のプラスチック資源循環小委員会の『プラスチックを取り巻く国内外の状況<参考資料集>』によると、81.6%という数字が示されています。
この数字を見るとかなりリサイクルされているように感じますが、実はこの数字は、本当に素材をリサイクルしているものと焼却時の熱を発電に用いることでの熱回収を合計した数字となっています。そして「リサイクル」のうちの約7割ほどが熱回収となっており、プラスチックは実際にはかなりが燃やされていることになります。
ですからプラスチックリサイクルの取り組みに関しては、一つは素材をリサイクルする割合をもっと増やしていこうという取り組みが実際に進められています。
しかし、プラスチックを素材としてリサイクルするには、いくつかの課題があります。
まず1つはリサイクルを繰り返すごとに品質が劣化してしまうという点。これは紙など他の材質に関しても同様のことが言えますが、プラスチックもやはりリサイクルできる回数には限界があります。
次に、しっかり分別されている必要がある点です。プラスチックと一口に言っても、実は科学的な物質のレベルで言うとものによって様々な物質でプラスチックは構成されています。しかしリサイクルを行うにあたっては、同じ物質同士でまとまっていないとリサイクルすることはできません。それを仕分けするのにコストが必要になってくるため、プラスチックのリサイクルにはやはり壁があると言えます。
また不純物という観点では、プラスチックに付着した油汚れなども同様のことが言えます。これもあらかじめ洗浄するなどしてきれいにしないと、プラスチックに不純物が入ってしまうためリサイクルはできません。
このように、プラスチックのリサイクルの現状として、素材の再利用という観点ではそこまで進められておらず、また進めようにもコストの関係でなかなか進んでいないという実態があるのです。
一方で、紙のリサイクルは…?
プラスチックを素材として再利用しようとしても、思い切って進めることが難しい中、じゃあできるだけごみとして出す量を減らすようにしよう、ということで起こってきたのが「脱プラ」の動きです。
脱プラの取り組みの中ではよく紙製品への切り替えというものが見られます。飲食店でのカトラリーやストローなどが紙製品に置き換わりはじめているのはみなさんも身近に感じていることでしょう。しかし、紙に置き換えたところで紙という素材はどれだけリサイクルできて、本当にエコと言っていいのかという問題は重要ですよね。
経済産業省が令和4年3月に発行した、『紙パルプ・セメント産業の現状と課題』によると、日本の古紙利用率は67.2%(2019年)となっており、これはそのまま素材として再利用を行なっているということを示していますので、プラスチックよりも大幅に再利用がされているということになります。
またむしろ日本の古紙は、余剰分が海外に輸出されているほど回収という点でも非常に成功している状況です。
このことからも、脱プラして紙製品に切り替えることで再利用できる資源の割合を増やすことができると言え、紙製品への切り替えは一定程度効果があるものと言えるでしょう。
しかし感覚的には、紙の原材料は木ですから、紙製品の消費が拡大することで森林伐採などの環境への悪影響がありそうなものだとも感じる方もいるかもしれません。
確かにそのリスクも部分的にはあり、不適切に森林伐採などを繰り返せば環境が破壊されることにつながってしまいます。
ただ近年では森林資源を計画的に利用する考え方も多く広まってもいますので、適切に管理された森林資源を活用した紙製品を、適切に使用する、つまりむやみやたらに使い捨てたり分別しなかったりをせずに使用することで、十分対策可能であると言えるでしょう。
また森林資源の大きな特徴として、植林などで再生可能であることも挙げられます。プラスチックの原材料である石油は、基本的には有限の資源で人間の努力で増やすことが難しい資源ですが、木は植えれば増やすことができますから、管理することで十分持続的に活用可能な資源なのです。
身近なものから紙製品に置き換えてみる
以上のことからも、プラスチック製品に関しては多少なりともその使用量を減らす努力は必ず必要であるということが言えます。もし使う必要がないものであるならそもそも使わないのが真にエコだと言えます。
しかしどうしても必要なものもありますので、その中で紙製品に置き換え可能なものは紙製品に置き換えてみるというのがいいでしょう。
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