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企業がSDGsの取り組みを始めるにはどうすればいいの?:第2回 SDG Compass ステップ2「優先課題を決定する」の解説

  • 2025年6月3日
  • 2025年6月3日
  • CSR&SDGs

前回は、企業がSDGsの取り組みを進めていくにあたり有用なフレームワークとしてSDG Compassの紹介と、ステップ1「SDGsを理解する」の内容について解説しました。今回はステップ2「優先課題を決定する」について解説を行います。

SDGsの17のゴールすべてが各企業にとって同じように重要ではない

SDGsの取り組みを行おうとしたときのありがちな誤解として、17のゴールすべてに取り組む必要があると誤解してしまうことがあります。SDGsは世界が抱える課題を、なるべくまんべんなくピックアップしてい設計されている目標です。各ゴールはそれらの大まかなジャンル分けと言うことができます。そんな幅広いジャンルの目標に対して、すべて取り組むというのは現実的ではありません。
企業がSDGsに取り組むにあたっては、その結果として企業自身の価値につながり、企業の持続可能性をも向上させるものであることが求められます。そうなると、どうしても自社の価値とは関係のないゴールは出てきます。また企業の価値につながる取り組みの中にも、結果としてもたらされる価値の大きさ・度合いというのは、取り組みの内容によって異なることでしょう。その場合、当然価値の向上への貢献度の大きいものから取り組むべきです。
このような、どういった課題に取り組むべきなのか、という課題の抽出から、その中でも特にどれから取り組むべきかという優先順位付までを行うのが、このステップ2「優先順位を決定する」のステップです。

バリューチェーンをマッピングし、影響領域を特定する

企業の事業活動が及ぼす環境や社会への影響を考えた時、最大の影響は、実はその企業が直接関与していない部分で生じている可能性があります。
例えば、自社で自動車を製造している場合を想定します。自社の製造機械を省エネのものに更新したり、工場の屋根に太陽光パネルを取り付け製造の電力をまかなったりすることで、自動車製造におけるCO2排出量の削減を行なったとします。しかしこの自動車は大変燃費が悪く、非常に大量の排気ガスを排出します。この時、この企業は本当に環境の取り組みに成功していると言えるでしょうか。おそらく多くの方が、成功しているとは言えない、ということに納得いただけるかと思います。
この考え方を拡大していくと、例えば部品の製造工程で大量のCO2が出ていたとしてもダメだし、部品を作るために必要な原材料の発掘に大量のエネルギーを使っていたとしてもダメ、というように、原材料の調達から廃棄にいたるまでのすべての過程での影響を考慮するべきだ、となります。これが、企業が直接関与していない部分で生じる環境や社会への影響ということです。そしてそれらの正の影響・負の影響を問わずピックアップし、バリューチェーン上に図式化してマッピングすることを、バリューチェーン・マッピングといいます。

指標を選択し、データを収集する

バリューチェーン・マッピングにより、自社の事業が社会・環境に対してどのような影響を与えるのかをピックアップすることができました。実際に取り組むためには優先順位を決定することが重要であるため、各要素は実際にどの程度影響があるのかを客観的に示せるようなデータを収集し、示す必要があります。
主観的にある程度影響度を推測することもできますが、データを用いた客観的な結果と、主観的な判断は相違が生じる場合もあります。より効果的で確かな取り組みにするためにも、客観的なデータの収集が重要です。明確なデータの収集は場合によっては困難な可能性もありますが、多くの人が確からしいと確信できる程度のデータ収集はできるようにしましょう。

優先課題を決定する

バリューチェーン・マッピングを通し、項目の抽出を行い、指標の選択・データ収集により、その影響度を測りました。すでにこの段階では優先順位別に取り組みを並べることもできます。
単に優先順位の高い順番に取り組んでいくという方法もあります。しかし中には、将来の社会情勢の変化に伴い、重要度が変化することが予測される項目もあります。例えば資源の枯渇や制度・規制の強化、市場の変化などもあり得ます。そういった変数も考慮に入れ、優先順位の調整を行いながら、本当に取り組むべき優先課題を決定していきます。

以上のようなプロセスで、企業の優先課題を決定していきます。

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