令和になって気になること

こんにちは。2ヶ月ほど前に入社しました松田と申します。

主に校正を担当していて、社外の方々にお会いする機会は少ないですが、どこかでお会いすることがありましたらどうぞよろしくお願いいたします。

さて、平成から令和になってもう少しでひと月経とうとしています。新しい元号が早くに発表されたせいか、意外とすんなり受け入れることができました。

いま印刷業界では、この「令」の字がちょっとした騒ぎになっているそうです。
印刷物でよく使用される明朝体は冒頭の写真左のように3画目が横棒、5画目が縦棒になります。これはいわゆる「活字体(ブロック体)」の書き方です。

一方、楷書体は写真右のように、ひとやねの下に片仮名のマ。小学校で習った漢字はこれで、手書きのときの書き方、言わば「筆記体」ということになります。

漢字の中には、高橋さんの「高」や渡邊さんの「邊」のように、同じ字なのに形が異なる字「異体字」が多く存在しますが、「令」の場合は、異体字ではなく、単なる書体の「デザイン」の違いであり、文化庁からも「いずれも同じ文字で、どれを使っても問題はない」との見解が出されています。要するに「どっちでもいい」のです。

さて、4月1日の発表記者会見で、菅官房長官が掲げた文字はこれでした。
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美しい楷書ですが、本来点になるはずの5画目が縦棒になり、筆記体に活字体が混ざってしまっています。従来の感覚からすると疑問が残る、フォントデザインの常識を覆すような字ではありますが、これも単なるデザインの違いと考れば、間違いとも言いきれない…?

これまでも、お客様から「鈴木の鈴の字はマではなく縦棒で」といったようなご依頼があり、楷書体なのにわざわざ縦棒に修正するというようなことをしてきたようですが、これからはもっと複雑な依頼が寄せらるのか???と考えると、業界人としては戦々恐々です。

言葉や文字は生き物。時代とともに変わっていくのは当然のことですが、「文化を守る」という意味からも、「なぜそうなったのか?」を知る努力を忘れずにいたいと思います。

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