【連載】MUDとは? の第2回です。
今回は、「【連載】MUDとは? 〜MUDで解決できるあんなこと、こんなこと〜」と題しまして、具体的な場面を想定しながら、MUD活用の可能性についてお話をしていきたいと思います。
第1回で、「情報弱者になりうる人たち」についてご紹介いたしました。
それぞれ、どのような困りごとがあるのでしょう
色覚障がい者
色覚障がいとは、特定の色が見分けづらい先天性の目の異常です。色覚障がいのある方は色の見え方が独特です。
例えば、赤と緑と茶色がすべて同じような色に見えてしまいます。
見分けにくい色使いを避けたり、模様や形を工夫して図解するなどの表現を行うと、認識しやすくなります。
高齢者
加齢により視覚に不自由を感じている方もたくさんいます。
老眼や、白内障、緑内障の方の視界は、ぼやけてしまったり、視野がかけてしまったりします。
見分けにくい色使いを避けることに加え、文字の大きさに注意したり、UDフォントという、文字が識別しやすいフォントを選ぶなどの配慮が必要です。
こども・外国人
こどもや外国人は難しい漢字や単語が理解できない場合があります。
文字を読まなくでも理解できるイラストを使ったり、簡単な言葉を使う、漢字にルビ(ふりがな)をふる、英語などの外国語を併せて表記することで、理解しやすくなります。
肢体不自由者
車椅子を利用している方や、身体の内部に障がいのある方は、お手洗いや駐車場などの場所がわからない、使い方がわららないなど、外出先での不安がたくさんあります。
何がどこにあるのかをわかりやすく表現するために、ガイド音声や、イラストやサイン、ピクトグラムを用いることで、理解しやすくなります。
LGBT
書類などの性別欄に配慮が足りない、男は青、女はピンク、などといった固定概念の押し付けなどで、不快な思いをしている方がいます。
性別欄にはその他、わからないなどといった表記をプラスするなど、固定概念を取り払い、多様性を意識した表現を考える必要があります。
今回ご紹介したものを、一つのデザインにすべて盛り込んで表現しなければならないということではありません。
なぜなら、全ての人に情報を伝えようとするあまり、情報が溢れかえって何が重要な情報かわからなくなってしまうからです。
「この情報を届けたい人はどんな人だろう」と考え、ターゲットを絞り、適切な表現を考えることが大切です。
次回、「【連載】MUDとは? 〜MUDってどうやって作るの?<デザインの現場から>〜」では、実例を用いて、MUDをご紹介していきたいと思います。