熊の毛色にはどんな種類があるのでしょうか。
日本に生息するツキノワグマは黒色で、胸の白いV字模様が特徴的です。
一方、北海道に生息するヒグマは個体差が大きく、茶色、黒色、金色などさまざまな毛色が見られます。
地域によって色の違いも大きく、前足から胸、顔から胴にかけて白い個体も発見されています。
白い毛といえばホッキョクグマを思い浮かべますが、ホッキョクグマの毛は他の熊とは構造が異なります。
ホッキョクグマの毛はストロー状の空洞で透明、しかも実は肌は黒いのです。
この毛が光を拡散・反射することで、私たちの目には白く見える仕組みになっています。
このホッキョクグマの毛の構造からヒントを得て、多くの技術が生まれました。
代表的なものに、保温性の高い素材の開発や光拡散技術があります。
毛の内部が空洞であることによる光の拡散性を応用し、保温性に優れた繊維が開発されました。
薄くて暖かい衣類は、今では多くの人にとって手放せない存在になっているのではないでしょうか。
また、光拡散技術は照明器具にも活用されており、
まぶしさを抑えながらも明るさを損なわない照明カバーなどに利用されています。
冷蔵庫内の照明にもこの技術が使われているそうです。
さらに、近年開発された断熱材は建築分野だけでなく、航空宇宙分野での実用化も目指されています。
このように、生き物の構造や生態から着想を得た技術開発はバイオミメティクスと呼ばれ、
さまざまな分野で研究が進められています。
特に、「持続可能性」を前提としたものはバイオミミクリーとも呼ばれ、
SDGsやサステナビリティの文脈でも注目を集めています。
今後も、省エネルギーや省資源につながる技術革新が次々と生まれていくことが期待されています。