綿花と聞いて、どのような姿を思い浮かべますか?
真っ白でふわふわした、優しい印象の綿花が浮かんだのではないでしょうか。
実は、現在私たちがよく目にするこの綿花は、品種改良によって生まれたものです。
古代の綿花は茶色で、緑や薄いピンクなどの色も存在していたといわれています。
なかでも、白に近い色の綿花ほどさまざまな色にきれいに染めやすかったため、
人々はより白い綿花を求めて品種改良を進めていきました。
その結果、色付きの綿花は徐々に栽培されなくなり、中には栽培が禁止された例もありました。
やがて人々の記憶からも薄れ、まるで最初から存在しなかったかのように扱われてしまったのです。
この色付きの綿花「カラーコットン/茶綿」が再び注目されたのは1980年代。
アメリカ人育種家が茶綿を再発見し、柔らかく、機械で糸に紡ぐことのできる品質へと改良しました。
茶綿は害虫に強い性質を持っていましたが、繊維が短く品質が劣るとされていたためです。
さらに、突然変異によって緑色の綿も確認されるようになり、
オーガニックかつ天然色であるため、自然な濃淡を楽しめるのが魅力です。
白い綿とは異なり漂白工程が不要なため環境負荷が低く、
天然のUVカット効果や抗菌作用もあるとされています。
近年、オーガニックコットンやサステナブルコットンへの関心が高まり需要が増していますが、
その中でもカラーコットンは、染色された一般的なコットンに比べるとやや影が薄くなっているのが現状です。
長い年月を経て再評価されたこのカラーコットンは、
2020年ごろには高級ブランドなどでも広く使用されました。