毎日ラジオ、深夜にYouTube、週末レコード、たまにフェス

3 月30 日/木曜日/ 23 時

小学校に上がったばかりの週末、祖父の家に一人で泊まりに行った。夕食後に祖父が、明け方に嵐がくるから満開を見ておこうと、私を近所の寺に誘ってくれた。田んぼ道を歩き山門をくぐると、真っ直ぐ延びるほの暗い参道に、街灯の淡い光を浴びた桜がぼうっと現れた。その圧倒的な白さに、とてつもない静寂を感じた。そしてその時、なぜだか散髪屋で見た絵本、百鬼夜行を思い出してしまった。太閤はんがここへ初めに植えはったんや、日本の花見もここから始まったんや、と、いつもより饒舌に話す祖父の声もよく聞こえないくらい、鬼、鬼、鬼に囚われた。その白い密集の陰にいるのではないか、と…
ほろ酔いで歩く川沿い。満開の夜桜を見てもあの感情は湧き出てこない。手伝いをしない子が鬼は大好き、鬼はぽりぽりと頭から食らう、と、父からビビらされ続けていたことも、環境で植え付けられた悪習も、十二支を何周もしてどうでもよくなった。だがしかし、あの百鬼夜行だけは問答無用な感じでやっぱり怖いな。静止した白い密集を見て、ぞくっとした自分に少しほっとした。

“伸びた髪が風に吹かれて
   なんだかちょっと邪魔に感じたけど”
曲:どうでもいいけど(YASHINOKI HOUSE)
never young beach

4 月19 日/水曜日/ 16 時

招かれた教室に入ると、僅かに大人びた彼女がいた。啓発動画制作で、アフレコを担当してくれたので、そのお礼を伝えるために専門学校を訪問。聞けばすでに専門学校は卒業していて、養成所に通っているとのこと。その養成所に入ることさえも難しいのに、そこから声優として事務所と契約できるのは、年間5% 程度
なのだそう。彼女の担当だった先生は、契約後も一事業者として毎年契約更新はあるし、日々競争の渦の中にいて、メンタルを強く保っているだけでも立派なのです、と話す。本人は、至って穏やかに笑顔を絶やさず頷いている。一言、やりたいことをやっていますので、と、はっきり答える彼女から、未来を見据える強い気持ちが伝わってきて、胸が熱くなった。
次の仕事に向かう車内、この時間の急行は学生も増えて少し騒がしい。「週末、うちの地元のビーチクリーンイベント、一緒に行かない?そこで貰えるワカメがすごく美味しいから」休日の過ごし方、素敵。私なんて実家の店舗前清掃は大嫌いだったし、未来のことなど考えもしなかった。フレーフレー学生さん。そして確かに、採れたてのワカメは超絶うまいよね。

“霞んで見えた水平線、
    二人は春の惑星へ向かうんだ”
曲:スラムドッグ・サリー
少年キッズボウイ

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