色の豆知識17 / 面白い名前の色「ノミ色」

以前、日本の伝統色 甕覗(かめのぞき)色をご紹介しましたが
外国にも面白い名前の色があります。

その色は、ロココの女王とも称される
マリー・アントワネットのドレス生地として生まれたとされています。
色の名前は、布地を見たルイ16世が言った言葉から。
そして現代でも使われています。
色の名前はピュース。
日本語にするとノミ色です。
ノミは虫の蚤のこと。
刺されると大変なことになるノミです。

ノミの腹色、ノミの足色、赤面するノミ、若いノミ等、
派生する色もたくさん作られ
14世紀フランスで大流行しました。

ロココというと繊細で優美、明るいピンクや水色、パステル系色のイメージがありますが
ピュースは暗い紫味のある赤褐色系の色。
明るく柔らかい色を身につけた人々の中で、このピュースはとても斬新に見えたと思います。
庶民の間でも流行したそうですが、当時の衛生事情を考えると汚れが目立ちにくい所も良かったのかもしれません。
現代ではネイルエナメルなどのコスメや靴やバッグといったアクセサリ類などで見ることができます。

他にも面白い色の名前が沢山ありますので少しご紹介します。※
妖精のふともも:淡いピンクベージュ
毒を飲んだ猿、生き返った死人:黄みが強いカーキ系
修道士のずきん:赤みのある濃い茶

妖精のふとももは「Nymph’s Thigh」として、現代でも女性衣料品などに使われています。
また、カーキ系は黄と緑を混ぜた色ですが、
これらの色はややネガティブなイメージがあり
その感覚が色の名前にも反映されたようです。

※参考 色彩の世界地図 文春新書

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