風街ろまん はっぴいえんど
小さいオンガクにありがとう〈中編〉
最後の一人になったカウンターのおっちゃんを、柔らこう帰したおばあはんが雨戸をとりに倉庫へ行った。おかんは台所へ、おとんはそろばんを弾き始める。ぼくはそうろと高い椅子から降り、台布巾でカウンターを拭く。こぼれたお酒はええけど、缶詰の汁はたまらん。一回拭いただけではとれんから、何回も布巾を洗わなあかん。乾拭きまで終わったら、おとんが見に来て「よし、ええど」と言うた。ぼくはテレビへと急ぐ。夜のヒットス […]