あの素晴らしい愛をもう一度 加藤和彦 北山修
小さいオンガクにありがとう〈前編〉
「まあちゃん、大関とって」足が下につかないほど高い木の椅子に座っているぼくに、端っこのおっちゃんが言うてきた。ぼくの横のカウンターには5人のおっちゃんが並んでいる。ぼくが一番近くのおっちゃんに、キャップを取ってワンカップを手渡すと、リレーのバトンのように端っこに居るおっちゃんへ届けられる。おっちゃん、ガラス瓶を握るや否や、アルミのふたをクルパカッと捻り空け、底にたまるくらいの七味をふりかけ、唇を […]