社名がまだ協進印刷だった頃の2012年11月に第1号を発行し、今号で50号となりました。足掛け13年にわたり当社の「いま」について多くの情報を発信できたことは、毎号楽しみにしてくださっている読者の皆様はじめ、取材にご協力くださった方々、そして執筆・編集に尽力してくれたスタッフなどなど、たくさんの人たちの愛情の賜物と心より御礼申し上げます。
巻頭対談では「社会課題の解決に取り組んでいること」を基準として、それぞれの分野でご活躍の皆様に毎回貴重なお話を伺うことができ、私自身もこの社会を取り巻く実に様々な課題について知ることができました。皆さんのお話を伺って思うことは、世の中には自分は知らないけれど、何としても解決しなければならない困りごと=課題が実にたくさんあるということです。
近代以後、社会や技術が複雑化することによって、社会における個人の役割が専門特化し専門分野のコミュニティがたくさん出現するに至りました。それぞれのコミュニティで発生する課題は、そのコミュニティの構造やシステムに由来していますので、解決のための資源や知見がそのコミュニティ内には不足している可能性があります。
「いかなる問題も、それが発生したのと同じ次元で解決することはできない」とアインシュタインが言ったように、別の次元、すなわち別のコミュニティが持っている資源や知見が課題解決に役立つのであれば、私たちは自分の専門外の、あるいは普段交わることのないコミュニティのことをもっと知る必要があるのではないでしょうか。
JOは、私たちのミッションのひとつである「多様な主体が理解しあい支えあう公正な社会のために対話の機会を創造する」ことを実現するための手段であったことを、いま改めて確認しています。
言うまでもなく、戦争は対話を諦めたときに始まります。混沌としたこの時代に、対話の必要性はますます高まっていると感じます。
また、メディア環境も日々変化し、人々に何かを伝える手段は一層多様になってきています。そんな時代に、もっともっと対話の機会を提供できるよう、そして社会や組織のサステナビリティを支えることができるよう、JOもココラボも進化していきたいと考えています。新しいJOに是非ご期待ください。
代表取締役 江森克治