いまや若者にとってCSRなんて当たり前!?

  • 2015年10月20日
  • 2020年12月24日
  • JO対談

2015年度インターン生

丸山裕平さん 横浜市立大学4年 宮崎市出身
赤谷咲栄さん 横浜市立大学4年 浜松市出身
糸谷泉美さん 横浜デジタルアーツ専門学校3年 横浜市出身

江森:今日は、今年協進印刷にインターンシップに来てくれた学生さんたちをお招きして、当世の「若者事情」といいますか(笑)、若い人たちの将来にむけての希望や、また逆に不安に思っていること、CSRについての印象などワイワイ議論してみたいと思います。学生の皆さんもいろいろとご予定があって、全員参加できなかったのが残念ですが、人数少ないのでたくさん発言してください。

学生:よろしくお願いします。

江森:先日、横浜型地域貢献企業を対象にしたセミナーがあって丸山君が来てくれたんだけど、終わって感想きいたら「CSRってまだこの程度の認識なのかと驚いた」と言われて、逆にこっちが驚いた(笑)。丸山君は影山先生のゼミでCSRのことをよく勉強しているからかもしれないけど、学生さんにとってはCSRなんて当たり前じゃんという認識なの?

丸山:そうですね。企業は当然社会のことを考えて事業をしていると思っていましたので…。特に従業員は最も大切なステークホルダーだと講師の先生がおっしゃったのをきいて、逆にそうじゃなかったのか!と驚きました。

江森:なるほど、従業員を大切にしましょうねなんて、今さらわざわざセミナーでいうことかよ!ってことだね。糸谷さんはどう?

糸谷:私も企業は当然従業員を大切にしてくれているものだと思っていました。

江森:でも、ブラック企業っていうのも最近よく言われているよね?

糸谷:ブラック企業もあるのでしょうけど、何か特別な存在というか、一般的ではないのかと思っていました。

江森:赤谷さんは就職活動していて、そのあたりは気にしてる?

赤谷:会社説明会では企業は良いことしか言ってくれないので、本当にその企業が従業員を大切にしてくれているかどうかというのはわからないですよね。そもそも一度も正社員として働いたことがないので、その企業が従業員に対しての配慮ができているかできていないかを私が語れる立場にないと思っています。

江森:ブラック企業かどうかっていうのは、多くの場合、企業の問題じゃなくて社員の側の問題だと思うんだよね。ある社員にとってはブラックだけど、ある社員にとってはホワイトというのが普通なんじゃないかな。それをホワイトと感じる社員を増やしていきましょうねというのが、この前のセミナーの趣旨だったと思うけど、なかなかそこまではいけてない企業が多いように思いますね。とはいえガリガリの成果報酬というのも少なくなってきた。従業員のライフスタイルや立場を尊重して一緒に成長していこうという気運が高まってきたのは、ほんとにここ5、6年なんじゃないかな。

丸山:昭和のこととか、あまりわからないんですけど、とにかくお金を稼ぐということが最重要だった時代に比べると、僕たちの世代には食べられなくなるという危機感というのはあまりなくて、仕事も人生にたくさんある選択肢のうちのひとつになっているというのも、認識に違いが出る原因なのではないかと思います。

江森:なるほどね〜。ところで皆さんにとって仕事って何?

丸山:仕事ですか!?そうですね〜、もちろん生きていくためにお金を稼ぐ手段というのはありますが、仕事を通して人と出会ったりしていくことで、自分が成長するためのものとも思っていますね。

糸谷:私はアルバイトもしたことがなくて、最近ボランティアを始めたんですけど、ボランティアで人と関わることで自分も成長できるし、何より視野が広がるのを感じています。そうやって新しく広がった世界の中で、自分の専門的な能力を活かすことができるのは楽しいことなんじゃないかと思います。

赤谷:私にとっては、私の理想とする姿を作り出していくものかな〜って思います。

江森:理想とする姿って?

赤谷:仕事して、結婚して、子どもを産んで…あ、私はおしゃれな生活をしたいと思っているんですけど(一同笑)、仕事もプライベートもおしゃれにしていくためのツールと考えています。

江森:なるほど〜、ライフスタイルを作るためのツールね〜。

赤谷:ちょっと甘いかな〜って思ってますけど。

江森:そうだね〜(笑)。

赤谷:実際社会に出て働いたら辛いこともあるだろうし、自分の思い通りになることばかりじゃないだろうとは思うんですけど、経験を積んで理想に近づけられたらって思っています

江森:理想を掲げるのは良いことですよ。おしゃれな生活目指してがんばってください!

 影山ゼミの2人に比べてCSRになじみの薄い糸谷さんはCSRについてどう感じていますか。

糸谷:CSRという言葉自体は協進印刷さんの会社説明会ではじめてきいたのですが、そういうのってどこの会社でもやっていることなんだろうと思っていました。

江森:そうなんだ…「なに当たり前のこと言ってんの?」って思われてたのか〜(笑)。

糸谷:そこまでは思いませんけど(笑)、わざわざ説明するぐらいだから力を入れているんだろうなとは思いましたが、それが特別なことという印象はなかったです。

江森:影山ゼミの2人はなぜCSRを勉強しようと思ったの?

赤谷:私は高校生のときにフェアトレードに興味を持って、世界には不正な取引や児童労働などの現実があることを知ったことがCSRを学ぶきっかけになったので、糸谷さんとは逆でCSRをきちんとやっている企業の方が特別だと思っています。

丸山:僕はメセナやフィランソロピーなどを先に知ったので、CSRは経営とは別という意識が強くて、なんでわざわざ企業がそんなことするんだろうというのが知りたくてCSRを勉強しようと思いました。

江森:日本に「CSR」という概念が輸入された頃に、メセナやフィランソロピーなども一緒に入ってきたことから、日本ではなんとなくCSR=社会貢献というイメージが定着したのではないかな。中小企業に限らずCSRを定着させていくのはかなり時間がかかりそうですね。

丸山:正しいCSRの理解を広めていく必要があるということを改めて感じています。

江森:皆さん協進印刷でインターンしてみてどうでしたか?

糸谷:はじめて仕事の現場でデザインやDTPを経験させていただいたのですが、文字の組み方やフォントの使い方など、仕事をしていく上での細かいルールや決まり事がたくさんあることに驚きながらも、その一部でも知ることができて良い経験になりました。

丸山:うわ〜専門的!自分が恥ずかしくなります…。

江森:なんでも総合大学に行くだけが能じゃないって、糸谷さんをみていると本当に感じるよね。自分はこれでメシを食って行くって早い段階で決めてるから、それだけ実践的な勉強もしてるし、だからインターンシップに来ても、自分が勉強してきたことと現場での仕事がすぐにつながって密度の濃い研修ができる。

赤谷:私は学生のうちにちょっとでも社会を垣間みることができて良かったなと思います。敬語の使い方とか電話の仕方とか、今まで使っていた言葉が間違ってたんだと知った時は衝撃でしたし、朝礼のときに社長から「これやっていいですか」ときく前に自分で考えて行動しろというお話をいただいたり、あー、仕事ってこうやってやっていくんだということを、ちょっとですけど知ることができて良かったです。社会に出てからも自分を信じてやっていきたいです。

丸山:営業同行させていただく中で、「印刷」っていう分野を通してできることがたくさんあるなと感じました。また仕事はひとりで完結することなんてなくて、組織としてやっていかないと会社って成り立たないんだということを学びました。あと、中小企業をとりまく問題の一部も見ることができたので、それは働きはじめてから自分の仕事の中で活かしていけたらいいなと思います。

 未来の日本を担う若者たちとのトークはまだまだ続きます。この続きは弊社CSR報告書に掲載いたします。

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