サステナビリティレポートとは

近年サステナビリティへの関心は年々高まっており、特に企業に対しても取り組むことが求められるようになってきました。そして企業がのサステナビリティの取り組みを対外的に発信する手段として、サステナビリティレポートが作成されることも増えてきています。

サステナビリティレポートとは

サステナビリティレポートとは、株主、顧客、社員などのステークホルダーに対し、自社の経営戦略のの全体像およびその結果をを発信し、経営の持続可能性を示すための文書です。社会のあらゆる課題やニーズに応えていくことで、それが自社の持続可能な成長戦略につながっているということを示すことが目的です。あくまでステークホルダーの目線で作られ、ステークホルダーの興味関心のある情報を中心として構築することが重要です。

よくある間違いとしては、サステナビリティレポートを会社案内と混同してしまうことがあります。別物であるという認識は、当然誰しも持っているかと思いますが、作った結果会社案内と載っている情報が変わらないというケースはしばしばあるでしょう。会社案内は自社の目線で、自社がウリにしたいことを発信してアピールするためのものと解釈されます。ステークホルダー目線で作られるべきサステナビリティレポートとは、内容が記述のされ方が明確に異なってきます。

有価証券報告書との違い

有価証券報告書は、財務情報に関する報告書です。一方サステナビリティレポートは、財務情報以外の自社に関する取り組みや情報を掲載します。財務に関わらない項目ということで、非財務情報という言い方もされます。また財務情報と非財務情報の両方を統合したレポートのことを、統合報告書と呼びますが、「サステナビリティレポート」という名目で、内実は統合報告書であるケースもありますし、CSR報告書という呼び方をすることもあります。サステナビリティレポート・統合報告書・CSR報告書の3つは基本的におおよそ同じものと捉えてしまっても良いでしょう。

従来では企業の安定性を示すものとして、財務情報が中心に使われてきました。しかし近年の気候変動や人権意識の高まり、新型コロナウイルス感染症など、いつ社会情勢が大きく覆されるかわからない時代となり、目先のお金の状況のみならず複雑な社会情勢に対しても対応しうる企業体制も、持続可能な企業経営において重要と考えられるようになってきています。

何を報告するべきか

サステナビリティレポートで報告するべき内容としては、下記の文脈がしっかり成立していることが重要です。

①各事業が導かれた経緯

自社が取り組んでいる事業、あるいはCSR項目について、なぜその事業・CSR項目に取り組むに至ったのかという経緯を示します。具体的にはリスク・機会分析など、自社が置かれている状況や環境などを明らかにすることによって、どのような市場チャンスがあるからその事業に取り組むのかであったり、あるいは想定されるリスクに対応するために取り組むべき事業であるといった説明を行います。

②事業の概要

取り組んでいる事業についての概要を掲載します。ただ説明するだけでは会社案内と変わりありませんので、①の事業が導かれた経緯に基づきながら、取り組みの経営的な意義についても記述します。また、例えば人材育成など、他の事業のための事業などもあるでしょう。その場合は事業間の関係性も示せると良いでしょう。また事業の体系を価値創造プロセス(価値創造モデルなどとも呼びます)に落とし込むことで、事業の流れを図式化して明示することができます。

③取り組みの成果・課題・展望

取り組んだ事業にがどのような結果であったかを、数値測定などに基づく客観的なデータによって記述します。もし目標に到達していなかったり、めぼしい成果がない場合には開示することは躊躇われますが、それでも開示することが重要です。もし現状成果がはっきりと表れていなかったとしても、今後どのように取り組んでいくことで改善していくのかまで示すことができれば、ステークホルダーの見え方も変わってくることでしょう。

大雑把ではありますが、サステナビリティレポートは上記のような内容が盛り込まれることが重要です。より具体的に作成を進めていくにあたっては、IIRC(国際統合報告フレームワーク)といった国際的な情報開示のフレームワークを参照することで、報告書として必要な体裁もクリアする必要もあります。しかし基本として上記の考え方を押さえておくことは重要です。

以上のように、サステナビリティレポートは自社の非財務に関する情報を中心として、ステークホルダーに向けて情報発信を行うためのツールです。ステークホルダーが求める情報を掲載できているか、事業・取り組みの経緯や意義、結果から展望までをしっかり報告できているかというところが重要です。

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