街を彩る看板は時代や文化を反映し、今や景観の一部でもあります。
賑やかな商店街で、出先の高層ビル街で、看板を目にしない日はないと思います。
看板は店舗などの情報のほかに、その時代の変化が読み取れ、
注意して見てみると面白いものです。
最近の傾向としては、茶系やアースカラーのようなくすんだ色が増えています。
手作り感のある木製や黒板風など、アート性の高いおしゃれな看板も多く目にします。
また、レトロ感のあるものも人気なようです。
これらの色は、かつては景観配慮型と言われる店舗デザインに多く用いられたものです。
歴史ある観光エリアなどで、古くからの街並みや地域の自然環境に合うように、
自治体の条例やガイドラインを踏まえて派手な色調を抑えたものです。
大手チェーンの店舗で比較すると分かりやすいですが、
ある地域の店舗や看板が基本デザインと全く違う色になっていたり、
あるいは少し渋めの色に寄せていたり、さまざまなパターンがあります。
初期の頃は違和感を覚える人と、面白く感じる人とに二分されていたようです。
日本の看板の歴史は古く、奈良時代には看板の原型があったとされています。
これは木札に商品名を書いたものでした。
笠や筆などの、商品やサービスに関連するものを軒下にぶら下げることもありました。
カンバンという言葉が使われるようになったのは鎌倉時代くらいだそうです。
高度経済成長期には、カラフルで加工しやすい素材の登場で一気に派手路線に進みました。
「見てくれ!」というようなパワーに溢れた力強い看板がたくさん作られました。
この頃の看板はシンプルなデザインが多く視認性に優れ、
個性的な手書きなどの文字も多く見られました。
その後デジタル技術の進歩などにより、より複雑なデザインも再現できるようになっていきます。
現代の街中で見かける渋めの看板は、店舗のコンセプトや価値観を伝えています。
エコフレンドリーな素材やリサイクルに配慮した材質の看板は、
ユニークで斬新な印象を与えると同時に、環境に対する思いも表現できます。
それは看板だけにとどまらず、様々なものが従来とは違う素材で作られ始めています。