手軽にはじめるSDGs!環境配慮製品の選び方のポイント

SDGsやサステナビリティという考え方が広まりつつある昨今ですが、環境に配慮して作られている製品というのも非常に多く見られるようになってきました。
こういった環境配慮製品は、導入すること自体がそのままSDGsなどのサステナビリティの取り組みに結びつくため、手軽にサステナビリティに貢献でき、取り組みの第一歩として取り入れやすいものであると言えるでしょう。
しかし環境配慮製品を導入するにあたっては、気をつけておきたいポイントというのも実は存在しています。それは、その環境配慮製品がどういった文脈において環境配慮とされているのか、ということです。ある側面では環境配慮として有効な製品でも、使い方によっては環境配慮として十分とは言えない場合も考えられるわけです。
具体的な例があった方がわかりやすいかと思いますので、この記事ではよくある環境配慮の製品と、使用する際の注意ポイントをご紹介いたします。

再生プラスチック

再生プラスチックは、プラスチック製品として一度使用されたものをリサイクルして再度素材として使用できるようにしたプラスチックで、石油資源の再利用という側面と、ゼロからプラスチック原料を作るよりもCO2削減できるという点で環境配慮されている素材です。

・生分解しない

こちらのタイプの注意点としては、あくまでもプラスチックに他の素材を混ぜて作られているため生分解性を持たないということです。
生分解性というのは、微生物の働きによって自然に分解される性質のことで、一般的にプラスチックは生分解性が無いため分解されることなく物質が残り続けます。そのため海洋プラスチックのごみはいつまでも残り続けてしまうという点で問題視されてます。

例えば再生プラスチック素材を使用したペンがあったとして、これをノベルティとして配布するというシチュエーションで考えるとします。そうすると不特定多数の人にそのペンが配られ、もしかするとその中にはポイ捨てをしてしまう人がいるかもしれません。捨てられたペンが最終的に海にたどり着いてしまったら、再生プラスチックのペンが海洋プラスチックごみとして環境破壊になってしまうという可能性もあり得るわけです。

ライスレジン

ライスレジンは、廃棄米をプラスチックに配合することにより、石油由来のプラスチックの使用量を減らすことで環境配慮を実現している素材です。プラスチックの中に別の素材を混ぜて作るという点では、コーヒーの抽出かすを混ぜて作るプラスチック素材やもみがらを配合したプラスチックなども存在しており、これらは同じタイプの素材です。

・生分解しない

こちらのタイプの注意点としては、あくまでもプラスチックに他の素材を混ぜて作られているため生分解性を持たないということです。
配合されている素材は自然のものが多いので、一見生分解性も持っていそうなライスレジンですが、実は生分解しないので先程の再生プラスチックペン同様に廃棄まで想定した使用が重要です。

・リサイクルできない

さらにこちらのタイプはリサイクルすることができないという点も大きな問題であると言えるでしょう。
本来プラスチックはリサイクルすることができる素材ですが、そこに米という別の素材が混入されているライスレジンではリサイクルすることが出来なくなってしまいます。そのため廃棄の際は焼却処分するしかありません。
一般的には原料の米の生育過程で吸収されるCO2によって、焼却の際排出されるCO2はオフセットされると謳われているようですが、それでもマテリアルリサイクルには一切組み込めないのでその部分は考慮の上使用することが望ましいでしょう。

生分解性プラスチック

プラスチックの中にも近年では、植物由来成分などで作ることで生分解性を持たせた、生分解性プラスチックというものも存在しています。一般的なプラスチックと違い生分解性を持っているため海洋流出での汚染のリスクはかなり抑えることができます。

・製品に他の素材が含まれていることがある

生分解性プラスチックの製品を使用する際に気をつけたいのが、その製品の中に生分解性プラスチック以外の素材が使われている可能性があるということです。
例によってまたペンで考えますが、ペンの筐体は生分解性プラスチックが使われていたとしても、ペン先は金属製という場合がほとんどです。金属は当然生分解しませんので、筐体が生分解されたとしてもペン先はごみとして残り続けてしまうということになります。
なので生分解性プラスチックを使用していたとしても、本当にその製品がすべて生分解できるのかということを考えないと、バラまきでの使用は一定程度リスクが発生してしまいます。

以上、よくある環境配慮製品のうち、使用の上で注意が必要なものを3つご紹介しました。
どの例も共通していることですが、使用後の処理という部分は実は非常に注意が必要です。環境配慮製品を導入しようとすると、どうしてもその製品が生み出される背景にばかり目を向けてしまいがちですが、むしろその製品をどのようにして使用していくのか、ということの方が重要であることも多くあります。
本当の意味でサステナブルであるということは、製品が生産されて廃棄されるまでの製品ライフサイクルの一連が適切に行われていることであり、見栄えの良さだけで判断してしまうと、場合によってはむしろ持続可能性を損なってしまうこともあり得ます。使用用途とそれによって果たされる効果という部分にまで目を向けるようにしてみると良いでしょう。

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