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企業がSDGsの取り組みを始めるにはどうすればいいの?:第3回 SDG Compass ステップ3「目標を設定する」の解説

  • 2025年7月28日
  • 2025年7月28日
  • CSR&SDGs

前回はSDG Compassのステップ2について解説しました。今回はステップ3「目標を設定する」についての解説です。

具体的で、計測可能で、期限付きの目標を

SDGsに取り組むにあたってありがちなのが、とりあえず思いついたことをはじめてみる、というパターンです。もちろん何もしないよりは何かした方がいいのは確かです。しかし、とりわけ企業がSDGsに取り組むにあたっては、「結果」を出せることが重要です。しかもこの「結果」は、誰が見ても客観的に明らかな結果でなければなりません。

誰が見ても明らかな結果とは何でしょうか。それは数値で示せることです。ただ取り組んだというだけではその取り組みが何をもたらしたのか、本当のところはわかりません。どれだけ環境に配慮していたとしても、ただ環境に配慮していると主張しただけでは何がどう変化したのかわかりません。CO2の排出量を何パーセント削減できたとか、廃棄物の排出量を何トン削減できたとか、具体的な数値で示さなければ外部の人には伝わらないのです。

目標範囲を設定し、KPI(主要業績評価指標)を選択する

また目標を設定することで、取り組みがそのものが促進されることも期待されます。
皆さんの日々の仕事の中にも、おそらく何らかの目標は設定されているのではないでしょうか。その目標があるからこそ、達成するために仕事に取り組んでいけます。反対に目標が曖昧な取り組みはつい後回しになってしまったり、忘れ去られて取り組まれなかったりという経験はないでしょうか。SDGsの取り組みにおいても同じことが言えます。目標があることで適切にその取り組みを前に進めていくことができますが、目標もなく漫然とやろうとしても、なかなか進まないものです。

SDGsの取り組みにおいては、中長期規模の大きな目標と、その下に短期(おおむね1年ごと程度)のKPIの2段階の設定をするのが望ましいでしょう。(場合によっては中期と長期を分割して3段階以上にすることもあり得ます)中長期まで見据えた目標設定にすることで、SDGsの取り組みを、より企業の戦略の一部として取り入れることができます。

ベースラインを設定し、目標タイプを選択する

目標は客観的な数値として見れるように設定するのが基本の原則ですが、その中でも設定の方法はいくつかあります。主に、「絶対目標」と「相対目標」という2種類の方法での設定が可能です。

絶対目標

「CO2の排出量を、対2020年比で〇〇パーセント削減する」といったような目標が絶対目標です。この場合、単純にCO2排出量という結果のみにフォーカスしている目標ということになります。しかしCO2の排出量というのは、その企業の業績と密接に関連しています。売上が上がれば必然的に活動量も増えるため、比例してCO2の排出量も増えるからです。よってこの目標の設定方法は、売上の変化を考慮していない目標の設定方法ということになります。

相対目標

「売上に対するCO2排出量の割合を〇〇パーセント削減する」といったような目標が相対目標です。先ほどの絶対目標と異なり売上等、企業の活動量の変化も考慮に入れた数値の変化を見ることができます。しかし反対に、必ず売上などの他の数値との兼ね合いで見ることになり、仮に売上対比でCO2削減ができていたとしても、CO2排出の全体量は増加しているようなケースで見落とす可能性があります。結局全体として排出量が増えてしまえば環境に対しての負荷は増えていることになるので、その意味で絶対目標で見る重要性というのも無視できません。よって、取り組みの内容や目的に応じて、目標の設定方法も使い分ける必要があります。

意欲度を設定する

SDGsやサステナビリティの取り組みというのは、往々にして複数企業間の関わりとも密接に関係します。おそらくほとんど全ての企業が、他の企業の製品・サービスを利用しながら自社のサービスを実現させているからです。例えば原材料を作る会社がいて、販売する会社がいて、あるいは何らか加工工程を請け負ってくれる会社がいて…etc 自社のサービスを成立させるためには、他のあらゆる企業との連携があってこそと言えます。

SDGsの目標を設定する際に、あえて挑戦的な目標を設定し、それを公表することによって自社に関係するそれらの企業に対しても取り組みを促すことを期待するという方法があります。あるいはもっと直接的に、関係企業の対して取り組みを求めるということも必要になるかもしれません。

SDGsやサステナビリティという風潮を広めていくことも、SDGsの取り組みを広げ、それが最終的に自社のサービス全体のSDGs化の促進にもつながるのです。

SDGsへのコミットメントを公表する

自社で設定したSDGsの取り組み目標を公表することで、先ほどのセクションのような取り組みの広がりが期待できます。また自社がSDGsやサステナビリティに対してどのように考え取り組んでいるのかということも、目標を明らかにすることでより具体的に伝えることができるでしょう。
ただし目標を開示したときに、達成できなかった場合のリスクについては慎重に考える必要があります。当然何もなしにただ達成できなかったということになればそれは信頼を失うことにつながるからです。
かといって目標を全く開示しないということになると、それはそれで透明性を欠くことになり、ほとんどまともな取り組みはできていないのではないかと疑われてしまう可能性もあります。

そこで、達成できなかった目標については、取り組み内容・達成状況・課題等についてなるべく詳細で透明性を持った公表を行うことによって、信頼を失わないようにするのが重要です。

ココラボではSDGsやサステナビリティに関するセミナーを開催しています。SDGsやサステナビリティついて学びたい、という方はぜひご参加ください。

また企業のサステナビリティの取り組み支援サービスも幅広く展開しています。取り組みにあたって課題を感じていらっしゃる方は、ぜひお気軽に一度ご相談ください。

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